刻
私が作った初めて10分以上の曲です
以降の文は、私が刻を作り上げる過程でおぼえた感覚を、比喩的表現も含めてなんとかお伝えできたらと考えたものです。
初めてということで、勿論それなりに「はじめまして」はありました。
一番大きかったのは
私が、
これかな?この音かな?このフレーズかな?
とあれこれ、ピアノで探していても、
曲が
違いますねん
と却下してくるような経験でした。
いや、曲かどうかは分からないのですが
なにかが、「ちゃう」とか「それ」とかゆーてくる(笑)
しばらく
え?これ?これなの?
とかいう感じで音を一音一音探し進めていくと
突然、ああ、分かった。こういうイメージなんだ
と、そこからはかなり楽に進む
…のですが。
「ちゃう」から「ああ、こういう…」
までは、そこそこ大変(^^;
私は、それまで短い曲しか作る力はなく
勿論音は探し選んでいたのですけれど
そんなに霧の中という隘路に入り込んだことはなく
大まかな情景が浮べば、それなりに進んでいました。
イメージが浮かぶ
素敵なことなのですが、もしかしたら
そこは(私にとって)安全な領域
ということなのかもしれません
長くなると
どこからか
あっち
という指示が入る、そんな感覚を覚える気もします。
でも、そこは…
私が敬遠するところだったのかも知れません
あそこ、ザイル要ります。ハーケン要ります。
私、嫌です。
そんな危ない足場はよしましょう!
お人によって
どこからが要装備かは、勿論それぞれ違うと思うのですが
あっち!!!
一体どこから、その指示は来るのでしょうか
勿論、そんな、え?
ばかりではなく
やれやれ、帰ってきましたよ
ぢゃ、こっちの道で
いや…
え?
あっちを回ってゆく?
あのー
とか!
時間が長すぎる…
え?
昨夜机上で考えた案は、頭で考えた構成は、全部却下?
ここを全部カットで、あとはそのまま?
そう?
そうするの?
ええ!
色々ありましたとも!
そりゃ、向こうのどこからかからすれば
一々指示のいる、この未熟者!!!
なのかも。知れませんけれどね
うぬ!!!
より身体に近いとは、ある意味カオスである
というお話も読ませて頂いたことがあります
洗練されたとは、どうしても、より表層的になりやすい
社会的に、でしょうか。
見える視野、頭が選んだ文言は
己の無意識な取捨選択が入る
頭が良いとも言えるでしょうけれど…
その境界の行き来をよりスムーズに
深い根と陽に透ける葉の共存を、これからも、少しづつ学んでゆけたらと思っています。
早春
これは、私が作曲を学び始めた、ごく初期に作った曲です。
四季をそれぞれにモチーフにして、三味線を使って、作曲しました。
今では、私はピアノから曲を作り始めますが、
その頃は、ピアノに触ったことはなく
文化譜(三味線の譜)から五線譜に規則に則って移し替えていました。
これは、特定の聞き方や弾き方を求めるものではありません。
それでも、よろしければ
ふと、ほっとした日に
時期が春ではなくとも
自分がつまびく音節の一つにも、使って頂ければ。
とても嬉しく思います。
その時の己の感情に素直に
弾いて頂けましたら
音の響きは、言葉ではありません
あなたを縛ることはない
あなたを固定することなく
あなたの想いを微かに風に乗せて、
あなたの背負った苦労を流して
その身を少しづつ軽くするかも知れません。
そして、その音色の移ろいが
あなた自身を満たしてゆく。
やがて、あなたの心が
暖かいと感じた日差しの中で
祝福と寿ぎにいつかたどり着けたら
それほど私にとって嬉しいことはありません
この曲を使って、私自身、独学ではありますが三味線のお稽古をしていました。
その時々の音源や早春(「春」を配信にあたり、改名)の譜も
サイトにあげてあります。
配信に使用している音源は、
サイトに掲載していた音源を、TuneCore用にミキシングしたものです。
配信用早春の著作権につきましては、別記事をご覧ください。
https://asano-kaoru.com/front-notice-early-spring-audio-recording-and-copyright-notice/

